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住宅ローン控除はどう変わる?2026年改正を前年比較で整理

住宅ローン控除

水野 大樹

筆者 水野 大樹

不動産キャリア12年

住宅ローン控除は、毎年の税金に関わるため、少しの改正でも家計への影響は小さくありません。
とくに2026年の制度改正は、既にローン返済を続けている人にとっても、無関係とは言えない内容になる見込みです。
しかし、前年比較でどこが変わり、どこは変わらないのかを正しく押さえれば、慌てる必要はありません。
本記事では、住宅ローン控除の基本ルールをおさらいしつつ、2025年と2026年の違いを分かりやすく整理します。
そのうえで、すでに控除を受けている人への影響や、今後損をしないためのチェックポイントまで、順を追って解説していきます。
自分は何を確認し、どのタイミングで動けばよいのかを、一緒に整理していきましょう。

住宅ローン控除の基礎と2026年改正の全体像

住宅ローン控除は、一定の要件を満たす住宅ローン残高の合計額に控除率を乗じた金額を、各年の所得税額から差し引ける制度です。
国税庁の案内では、住宅の新築や取得、増改築のための借入金であることや、返済期間が10年以上であることなど、細かな条件が定められています。
また、控除期間は居住の年から最長13年間とされ、借入限度額や控除率は入居年や住宅の性能区分によって異なります。
所得税で控除しきれない額は、一部が翌年度の個人住民税から控除される仕組みも維持されています。

2026年分所得税からの主な見直しとして、住宅ローン控除の適用期限が5年延長され、2026年から2030年までに入居する人も対象になる方向性が示されています。
加えて、省エネ性能の高い既存住宅について、認定住宅やZEH水準省エネ住宅の借入限度額が引き上げられることが盛り込まれています。
さらに、子育て世帯への上乗せ措置の対象拡大や、床面積要件の緩和など、これまでより適用対象を広げる趣旨の改正が予定されています。
これらは、物価上昇や環境配慮への対応と、子育て世帯支援を両立させることを意図した改正と整理されています。

すでに住宅ローン控除を受けている人にとっても、2026年改正は今後の返済計画や節税効果に影響する可能性があります。
特に、省エネ性能の高い住宅や既存住宅を持つ人、子育て世帯に該当する人は、借入限度額や上乗せ措置の内容を確認することで、控除をより有利に活用できる余地があります。
一方で、控除率そのものは0.7%の枠組みが基本とされており、過度に期待し過ぎず、年末残高や所得税額との関係を冷静に把握することが大切です。
これからも控除を受け続ける人は、入居年ごとの取扱いと、控除期間の残り年数を整理したうえで、2026年以降の税負担を見通すことが重要になります。

確認したい項目 2026年改正の方向性 既存利用者への共通ポイント
適用期限と対象期間 入居年の延長見込み 自分の入居年の再確認
借入限度額と控除率 省エネ住宅で枠拡大 年末残高と税額の関係
子育て世帯向け措置 対象世帯の拡充傾向 家族構成の条件整理


2025年と2026年の住宅ローン控除を具体比較

まず、2025年分と2026年分の住宅ローン控除は、いずれも控除率は年末残高の0.7%、控除期間は新築・買取再販住宅が最大13年、既存住宅が10年という大枠は共通しています。
一方で、住宅の種類ごとの借入限度額や、子育て世帯向けの上乗せ措置の有無など、細かな条件は各年度の税制改正により異なります。
特に、省エネ基準を満たしたかどうかや、合計所得金額の要件は、控除の可否や控除額に直接影響します。
したがって、前年同様と思い込まず、各年分の国税庁や関係省庁の公表内容を確認することが重要です。

次に、省エネ住宅の区分については、2025年分も2026年分も、認定長期優良住宅や認定低炭素住宅など、一定の性能を満たす住宅ほど借入限度額が高く設定されています。
ただし、建築確認日や性能証明書の交付時期によって、どの区分として扱われるかが変わるため、同じ性能の住宅でも年度をまたぐと取扱いが異なる場合があります。
また、床面積要件については、合計所得金額の水準や、認定住宅かどうかにより、40㎡以上または50㎡以上といった差が生じます。
このように、省エネ区分と床面積要件は、借入限度額と控除期間を左右する前提条件として押さえておく必要があります。

さらに、子育て世帯向けの上乗せ措置については、2025年分では借入限度額のかさ上げなどの時限的な拡充が継続しており、同じ住宅性能でも一般世帯より有利な上限が設けられています。
一方で、2026年分以降は、住宅ローン控除全体が延長されつつ、質の高い既存住宅や一定の省エネ性能を持つ住宅を重視する設計が強まっており、子育て世帯の上乗せの有無や内容が変化します。
その結果、2025年入居と2026年入居では、子育て世帯かどうか、省エネ住宅かどうかにより、控除額の有利・不利が逆転する場面もあり得ます。
したがって、自身の家族構成や住宅の性能に応じて、どの年分に入居すると総控除額が大きくなるかを、あらかじめ比較しておくことが大切です。

比較項目 2025年入居 2026年入居
控除率・期間 率0.7%期間10〜13年 率0.7%期間10〜13年
借入限度額 省エネ住宅で高い水準 良質既存住宅等を重点
子育て世帯上乗せ 時限的な上乗せ継続 内容見直し後の取扱い
床面積要件 所得要件により40㎡可 緩和を踏まえた要件
有利になりやすい例 子育て世帯の新築取得 省エネ既存住宅の取得

既にローン返済中の人への2026年改正の影響

まず、すでに住宅ローン控除を受けている人について、2026年の税制改正で控除期間や控除率が一律に短縮されることはありません。
住宅ローン控除は、入居した年の制度内容が原則として最後まで適用される仕組みであり、途中から別の入居年区分へ切り替わることはないためです。
したがって、これまでと同じ条件で控除が続くのか、それとも所得制限など他の要件で控除額に影響が出るのかを切り分けて考えることが重要です。
まずは、自分の入居年と適用されている控除期間・控除率を正確に把握するところから始めていただくと安心です。

次に、入居した年ごとの取り扱いについて整理しておくことが大切です。
国税庁の整理では、令和4年から令和7年までに入居した場合、住宅の種類ごとに控除期間が10年または13年と定められており、入居後に一方的に短縮される定めはありません。
一方で、合計所得金額が一定額を超えると、その年分は住宅ローン控除を受けられない仕組みがあり、令和4年以降入居の場合は合計所得金額が2,000万円を超えると適用外となる点に注意が必要です。
控除がいつまで続くかは、入居年と控除期間に加えて、毎年の所得状況や居住の継続状況を含めて確認する必要があります。

さらに、子育て世帯・共働き世帯・単身世帯など世帯構成によって、2026年改正の感じ方が異なる点も押さえておきたいところです。
2026年以降も、子育て世帯向けの借入限度額の上乗せ措置や省エネ性能の高い住宅への優遇が継続・拡充される方向となっており、こうした住宅に住む子育て世帯は控除メリットを相対的に受けやすいと考えられます。
他方で、共働き世帯では夫婦それぞれの合計所得金額が上限に近づくと、一方または双方で住宅ローン控除が使えない年が出る可能性があり、所得水準の確認が欠かせません。
単身世帯の場合は、将来の転勤や住み替えにより居住要件を満たさなくなる場面もあり得るため、控除期間の残り年数と今後の生活計画を合わせて検討しておくことが重要です。

世帯区分 主な確認ポイント 注意しておきたい点
子育て世帯 入居年と住宅性能区分 借入限度額上乗せの有無
共働き世帯 夫婦それぞれの所得水準 所得制限超過による適用外
単身世帯 控除期間の残り年数 転勤や住み替え時の居住要件


2026年以降も損をしないための実務チェックポイント

まず、住宅ローン控除を受け続けるためには、毎年の年末残高証明書の保管と提出先の確認が欠かせません。
初年度は確定申告で、2年目以降は勤務先での年末調整が基本となり、その際に年末残高等証明書や住宅借入金等特別控除申告書などが必要になります。
また、借入先が調書方式に対応している場合には、マイナポータル連携により年末残高情報が自動入力されるため、事前に申請方法を確認しておくことが重要です。
これらの手続きを毎年確実に行うことが、2026年以降の改正後も控除を最大限に生かすための土台になります。

次に、繰上返済や借換えを検討する際には、住宅ローン控除との関係を冷静に整理することが大切です。
控除額は年末時点のローン残高を基準に計算されるため、大きな繰上返済を行うと、その後の控除額が減少する可能性があります。
一方で、借換えによって金利負担が減る場合には、総支払額の減少が控除額の減少を上回るかどうかを比較する必要があります。
したがって、返済期間短縮型か返済額軽減型かといった返済方法の違いも含め、控除終了までの総負担額を数字でシミュレーションする視点が欠かせません。

さらに、2026年以降も税制改正が継続的に行われる可能性があるため、数年単位で家計全体を見通すことが重要になります。
住宅ローン控除だけでなく、将来の教育費や老後資金、他の税額控除や社会保険料の負担も踏まえて、複数のシナリオで家計シミュレーションを行うと安心です。
特に、入居年や住宅の省エネ性能、子育て世帯かどうかによって控除の取り扱いが変わる場面もあるため、自身の条件に合った最新の制度内容を定期的に確認する必要があります。
そのうえで、大きな繰上返済や借換え、増改築などの予定がある場合には、実行の1年前頃から専門家へ相談することで、改正の影響を踏まえた具体的な対策を取りやすくなります。

項目 確認する内容 見直しの目安
年末残高証明書 提出先と提出期限の確認 毎年の年末調整前
繰上返済・借換え 控除減少額と利息軽減額 実行予定の半年前
家計シミュレーション 税制改正と将来支出反映 数年ごとの定期見直し

まとめ

2026年の住宅ローン控除改正は、「いつ入居したか」「どの区分の住宅か」で影響が大きく変わります。
すでに控除を受けている方でも、控除期間の残り年数や借入残高、家族構成を確認することで、繰上返済や借換えの判断が変わります。
自己判断だけでは損をしてしまう可能性もあります。
当社では、最新の税制を踏まえたシミュレーションと具体的な対策をご提案しています。
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