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日銀9月会合で追加利上げ観測強まる|住宅ローン金利上昇が不動産売買に与える影響

不動産市況・住宅ローン

水野 大樹

筆者 水野 大樹

不動産キャリア12年

日銀、9月会合で追加利上げ観測が強まる

2026年9月17日・18日に、日本銀行の金融政策決定会合が予定されています。

現在の政策金利は1.0%程度ですが、ロイターが実施したエコノミスト調査では、今回の会合で政策金利を1.25%へ引き上げるとの予想が強まっています。

もちろん、9月13日時点ではまだ決定事項ではありません。

ただ、不動産売買に携わる立場から見ると、今回の金融政策は非常に重要なテーマです。

理由は、政策金利の上昇が住宅ローン金利を通じて、買主の「購入できる価格」に影響するためです。

住宅ローン金利はすでに上昇しています

住宅ローン市場では、すでに金利上昇の動きが見られます。

三菱UFJ銀行では、2026年9月に新規で住宅ローンを借り入れる場合の変動金利が年1.195%となっています。

また、三井住友銀行の変動金利型の店頭金利は、2026年8月の年3.125%から、9月には年3.375%へ上昇しています。

全期間固定型の「フラット35」についても、2026年9月の21年以上35年以下の最頻金利は年3.46%となっています。

長く続いた「住宅ローンは非常に低い金利で借りられる」という環境から、少しずつ状況が変わり始めています。



日銀が利上げすると住宅ローンも同じだけ上がる?

ここは注意が必要です。

仮に日銀が政策金利を1.00%から1.25%へ引き上げたとしても、すべての住宅ローン金利が直ちに0.25%上昇するわけではありません。

変動金利は各銀行の短期プライムレートや基準金利、優遇幅などをもとに決められており、実際に金利が変更される時期も金融機関や契約内容によって異なります。

そのため、

「日銀が0.25%利上げ=翌月から住宅ローンも必ず0.25%上昇」

という単純な関係ではありません。

一方で、政策金利が継続的に上昇すれば、住宅ローン金利にも上昇圧力がかかりやすくなることは意識しておく必要があります。

0.25%の違いでも毎月の返済額は変わる

たとえば、35年返済・元利均等・ボーナス返済なしとして、住宅ローン金利が年1.00%から年1.25%へ0.25%上昇した場合を比較してみます。

4,000万円の借入では、

年1.00%:月々約11万2,900円
年1.25%:月々約11万7,600円

差額は、月々約4,700円です。

6,000万円の借入では、

年1.00%:月々約16万9,400円
年1.25%:月々約17万6,500円

差額は、月々約7,100円です。

8,000万円の借入では、

年1.00%:月々約22万5,800円
年1.25%:月々約23万5,300円

差額は、月々約9,400円です。

0.25%という数字だけを見ると小さく感じますが、借入額が大きくなるほど家計への影響も大きくなります。

特に4,000万円~8,000万円程度の住宅を検討される方にとっては、「物件価格」だけでなく「毎月いくら返済するのか」という視点が、これまで以上に重要になってきます。

※上記は単純計算による概算です。実際の返済額は金融機関、借入条件、返済方式等によって異なります。

金利上昇は「買主の購入可能額」にも影響します

不動産価格を見るうえで重要なのは、金利が上がると返済額が増えるだけではないという点です。

たとえば、

「毎月の住宅ローン返済は15万円程度まで」

と考えている買主の場合、金利が低ければより多く借りることができますが、金利が上昇すると同じ15万円の返済でも借入可能額は小さくなります。

つまり、

金利上昇
↓
毎月返済額の増加
↓
買主の借入可能額・購入予算の低下
↓
購入できる物件価格の低下

という流れが起こる可能性があります。

不動産市場では、この「買主の資金調達力」が非常に重要です。


売却を検討している方にも金利は無関係ではありません

「住宅ローンの金利は購入する人の話なので、売主には関係ない」

と思われるかもしれません。

しかし、実際には売却にも影響します。

不動産価格は、売主の希望価格だけで決まるものではなく、その価格で購入できる買主が存在するかどうかによって決まります。

金利上昇によって買主の購入予算が下がれば、これまで5,000万円の物件を検討できていた方が、4,700万円~4,800万円程度まで予算を落とす、といったことも考えられます。

そのため今後の査定では、

・周辺の成約事例
・現在の売出物件
・物件の個別条件
・買主の住宅ローン環境

まで含めて価格を考えることが重要になります。

「金利が上がるから急いで売るべき」とは限りません

一方で、金利上昇だけを理由に不動産価格が直ちに大きく下落すると考えるのも適切ではありません。

不動産価格は、

立地
物件供給量
人口動向
建築費
賃金
物価
住宅ローン金利

など、さまざまな要因によって決まります。

特に駅近や利便性の高い住宅地など、需要の強いエリアでは金利が上昇しても価格が維持される可能性があります。

重要なのは、「金利が上がるから売る」のではなく、現在の市場環境とその不動産の需要を個別に判断することです。

購入を検討している方は「物件価格」より先に資金計画を

これから住宅購入を検討される方には、物件探しと同時に住宅ローンの事前審査を進めることをおすすめします。

特に確認したいのは、

・現在利用できる住宅ローン金利
・毎月無理なく返済できる金額
・借入可能額
・変動金利と固定金利の違い
・実際に融資が実行される時点の金利

です。

住宅ローンは、売買契約を締結した日の金利ではなく、一般的には実際に融資が実行される時点の金利が適用されます。

そのため、新築住宅や引渡しまで期間のある中古住宅では、契約時と融資実行時で金利が変わる可能性も考えておく必要があります。

まとめ

2026年9月の日銀金融政策決定会合では、追加利上げへの注目が非常に高まっています。

現時点では政策変更は決定していませんが、住宅ローン金利についてはすでに上昇傾向が見られます。

これからの不動産売買では、

「この物件はいくらなのか」

だけでなく、

「この金額を借りた場合、毎月いくら返済するのか」

まで考えて判断することが、これまで以上に重要になります。

また、売却を検討される方にとっても、買主側の住宅ローン環境は売却価格や販売期間に影響する重要な要素です。

株式会社三立では、知立市・刈谷市・安城市を中心に、物件価格だけではなく住宅ローンや現在の不動産市況も踏まえた購入・売却のご相談を承っています。

不動産の購入・売却をご検討の方は、お気軽にご相談ください。

※本記事は2026年9月13日時点の情報をもとに作成しています。金融政策、住宅ローン金利等は今後変更される可能性があります。